00-00 Gmediaについて
はじめに
今やクラウドは特別なテクノロジーではありません。 ITを利用する際には最初に検討すべき選択肢であるとともに、その適用領域をますます拡大している一般的な技術です。
GoogleCloudPlatform(GCP)はGoogleが提供するクラウドで、高い汎用性と独自のサービスを併せ持つ強力なクラウドです。しかしGCPは高機能なSaaSやPaaSからサービスを開始しており、IaaSのようなシンプルなサービスは逆に後発であったため、なじみが薄いエンジニアの方も多いのではないでしょうか。
このブログGmediaでは、Google技術の専門家集団である株式会社TOPGATEのエンジニアが
GCPの使い方を具体的に紹介していきます。
使い処や勘所といった、実際に使ってみないと見えてこない部分もできる限り紹介していきたいと思います。
このブログがGCPの利便性や、他のクラウドとの差異を知る上での助けになれば幸いです。
なぜGoogleのクラウドなのか
クラウドとは情報資産すなわち”データという名前のお金”を預ける銀行のようなものです。 ですから安心してデータを預けるためには、銀行を選ぶときのように信頼性についての検討が何よりも重要です。 具体的には「実績がある」「企業体力がある」「高い技術力を持っている」などといった観点になるでしょうか。
- 実績
世界一利用されているサービスといえば、ご存知「Google検索」です。Googleはこの高負荷なシステムを1997年から運用してきた実績があります。 それだけではなくGmail、youtubeといった10億ユーザー規模のシステム群を、障害を起こすことなく頻繁にアップデートしながら運営しています。 これは途方も無い実績であり、単純な件数や金額では測ることのできない実力の証明です。 実はGCPはこれらのサービスと全く同じインフラで稼働しています。つまりGCPはGmailやGoogle検索と同じ実績を持っていると言って良いのです。 ですから、スケーラビリティやセキュリティといった実用的な観点からクラウドの実績を比較するならば、GCPが一番実績豊富と言えるのです。
もう一つの重要な実績は、Googleがコンシューマー向けの製品を多数提供している点です。 世界全体でみるとAndroidやChromeブラウザは8割近いシェアがあり、Gmailやyoutubeは10億人のアクティブユーザーがいます。人々にとって普段から使っているGoogleのインターフェースは慣れ親しんだ一番わかり易いものなのです。もしもこのわかり易いインターフェースをエンタープライズ領域でも利用できたら何が起きるでしょうか。きっと計り知れない効率化を企業にもたらすでしょう。 そしてそれは例えばGoogleAppsという名前で、GCPの提供するSaaSとして実現されています。
- 企業体力
2016年5月現在Googleは世界時価総額2位です。
お金があるということは今後さらに投資をしてサービスを改善する企業体力があるということです。
実際毎年100億ドル(約1兆円)という莫大な投資をしており、サービスがどんどん安価かつ洗練されたものになって来ています。
また、Googleは世界一大規模なインフラを保有しています。単純な台数の問題ではありませんが、最新式のサーバーを100万台以上保有しているとも言われています。台数もさることながら、ハードウェアを内製したり、海底ネットワークケーブルを敷設したり、先ほど紹介したようにすべてのサービスでインフラを共通化したりと、性能と効率性を追求する姿勢も徹底しています。規模の経済と企業努力が巡りめぐって私たち利用者への値付けを決定していることを考えると、最終的にGoogleと価格競争できる企業はかなり限定されるでしょう。
- 技術力
Googleは先進的なテクノロジーを保有しています。
中でもビッグデータ分析や人工知能など、昨今注目されている技術領域を最も得意としています。
そして重要なことは、これら革命的な新技術を誰でも使いやすい安価なサービスとして提供しているという点です。
例えばBigQuery(ビッグデータ分析)やVisionAPI(画像認識技術・人工知能)などです。
ですからGCPを使うことで最新かつ重要なテクノロジーを安価かつ容易に使うことができるのです。
もう一つセキュリティやプライバシーに関するGoogleの取り組みも、世界最高レベルと言って間違いないでしょう。ISO27001やSSAE16やISAE3402、FISMAcertificationなど主要な第三者セキュリティ認証を受けています。また、ユーザー自身が自らのプライバシーやセキュリティをコントロールできるよう管理コンソールも提供しています。